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平成22年5月16日、広島市は条例制定に賛成、反対双方の立場の市民をパネリストに招きシンポジウムを開催。
[関連記事─日刊広島]

子ども条例、熱い議論

広島市主催シンポジウム、
市民ら約三百人が真剣な眼差し

 広島市は制定を進める「子ども条例(子供の権利に関する条例)」のシンポジウムを十六日、国際会議場で開いた。同条例制定には保護者団体や教育関係者から反対意見が強く、市が市議会委員会での議員の質問に対し「反対の立場の人も招き公平な討論の場を設ける」と約束していたもの。パネリストとして、賛成の立場から広島市立基町小学校校長・佛圓弘修氏、NPO法人子どもコミュニティネットひろしま代表理事・小笠原由季恵氏、反対の立場から広島音楽高校校長(元県立観音高校校長)・山廣康子氏、広島市PTA協議会会長代行・谷村敏彦氏、広島市から担当課長・小川仁志氏が参加した。会場には幅広い会派の市議や副市長の顔も見え、三百席の九割方が埋まった。

 意見表明で佛圓弘修氏は「校長会の代表」としての立場ではない、としながら条例に賛成を表明。子どもにとって自尊感情、安心感が大事であると強調し、同小での課題と取り組み等を紹介した。

 小笠原由季恵氏は「子供にとって大人の存在は圧力だ」「子供は大人の所有物ではない、大人と子供はパートナーであり、社会への子供の参画が必要だ」と述べ、その環境を支えるために条例は必要だと訴えた。

 山廣康子氏は「あたりまえの事が出来ていないのに子ども条例をつくったって出来るわけがない」また「権利と義務は表裏一体だ。私はやることをやってから言え、と生徒にも先生にも言っている。学校を良くしようとすると必ず抵抗勢力が権利を主張する。いまも私は訴えられている。条例より心で子どもを守るべきだ。大人には義務がある」。教育現場の困難な実情を熟知する立場から条例に反対した。

 谷村敏彦氏は「子供は大人の背中を見て育つ、これが私の信念だ。子供は安心して育てられる権利がある、と(条例素案に)書いてあるが、これは親の義務だ。親としては権利を振りかざすより思いやりがあり、感謝の出来る子供になってもらいたい、実力で義務や責任を果 たし夢を持ってもらいたい。これが親の願いだ」と権利を謳う条例を強く疑問視した。

=解 説=

 シンポジウムではその後、討論と質疑応答が行われたが、全体としてはどうも噛み合わない印象が残った。この会合は、表面 の議論だけでは済まない複雑な状況を浮き彫りにした感がある。
 市立小の校長である佛圓氏は「校長会代表の立場ではない」と断って賛成の立場で発言したが、賛成の意図、理由は分かりづらかった。市立校では条例制定に反対意見をもつ管理職も少なくないとされるが、市の推進する施策に表立っての反対は立場的に難しい。佛圓氏の発言にはそういった事情への配慮もうかがえた。
 会場には賛成派、反対派ばかりではなく「よく分からない」という市民もかなり参加していたようだ。その会場の心を揺さぶったのは、反対の立場で意見を述べた山廣氏と谷村氏だった。山廣氏は乱れた学校現場の立て直しに尽力し、その際、教職員組合の多大な抵抗にあったことで知られる。子供を思う心一つで、現場で戦った体験はどんな理屈にも勝ったようだ。
 また谷村氏が「コンビニの前でたむろする子供達に声をかけたことがありますか」と呼びかけると、場内は静まりかえった。報酬無き保護者活動を長年に渡って続けてきた谷村氏の発言が続いた。同氏は「この三年間、(条例を)つくるなら良いものをとも呼びかけてきたが、市は我々市P協の申し入れ、要望は何ひとつ聞いてくれなかった」。子供の育成に関して当事者中の当事者であるPTAを疎外する市の姿勢に不自然さを感じた参加者も多かったと思われる。
 会場との応答では、反対派の男性市民が市の姿勢を批判し「市長が来て説明するべきだ」と発言する場面 、賛成派の女性市民が「いったい何が反対なのか」と山廣氏と谷村氏に食い下がる場面 などがあり、やや紛糾した。
 子供をどう育成するかという問題は、おのずと理想とする社会像にも繋がる。親の思う理想は様々だろう。これは思想信条にも関わるデリケートな問題になってくる。反対する側の市民は、そこに「条例」をかざして市が規定することに対し、強い違和感を持っているようだ。子供の育成という分野で、いわばイデオロギー論争に発展しかねない状況を生むことは好ましくない。条例化するような類のものなのかどうか、市にはスタート段階に戻っての慎重な判断を求めたい。

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